理学療法士の専門学校では何を学ぶ?学校の内容や入学試験について解説

理学療法専門学校のメリット 特色・受験科目・勉強法

理学療法士になるためには、「文部科学大臣が指定する養成校で、3年以上学び卒業すること」という条件が課せられています。ここでいう養成校としては、大学や専門学校が当てはまります。そのため、独学では理学療法士になることができません。

今回は、理学療法士を目指す方のうち専門学校に進もうと考えている方を対象に、専門学校で学ぶ科目や内容、専門学校を受験する際の受験科目、勉強法などについてご紹介します。

理学療法士の専門学校で学ぶ内容

辞書とノート

理学療法士になるための専門学校について、進学するかどうか考える際に気になるのが、どのような科目を学ぶのかということではないでしょうか。ここでは、専門学校のカリキュラムや、大学などの他の教育機関にはない専門学校ならではの特色についても触れていきます。

専門学校で学ぶメリット

大学よりも専門学校で学ぶメリットは第一に、大学は4年制のところ専門学校は3年制(一部4年制もあり)である点にあります。大学と違って一般教養などを学ばない分、勉強期間が短くなり早く就職できるということが挙げられます。

また、病院と提携している学校の場合は、実際の患者と触れ合う機会が設けられ、実践的なことが学べるケースが多くなります。最新の設備が充実している、過去の出題傾向を詳細に分析できるなど、国家資格の取得に向けた対策が行われている点が専門学校の選ばれる理由となっています。

国家試験で必要な科目

理学療法士の国家試験では筆記試験が実施されます。筆記試験は一般問題と実地問題の2つに分かれており、内容は以下の通りです。

試験種別試験科目
一般問題運動学、生理学、解剖学、病理学概論、臨床医学、臨床心理学、リハビリテーション医学、理学療法
実地問題運動学、臨床心理学、リハビリテーション医学、臨床医学、理学療法

試験は毎年2月に行われ、一般問題は160問、実地問題は40問の計200問、午前と午後で100問ずつ、それぞれ2時間40分ずつ実施されます。問題数が多いために受験時間も長く、長時間持続できる集中力が求められる内容となっています。

合格率はおおむね80〜90%と高い水準のため、難易度の低い試験なのではないかと誤解されがちですが、前提として、受験生は多くの勉強を行ってきた方がほとんどですので、油断をすると不合格になりかねません。

また、筆記試験は2021年現在で北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県でのみ開催されています。住んでいる所によっては国家試験を受ける場合に前日泊が必要ですので、試験日の前後を含めて、自身のスケジュールを調整しておいてください。

専門学校のカリキュラム

専門学校で用意されているカリキュラムは、国家資格の合格に向けた内容はもちろん、実際の仕事に役立つ内容も含まれています。

一例として、長崎医療技術専門学校では、基礎分野と専門基礎分野に分かれており、以下の内容が学べます。

分野カリキュラムの内容
基礎分野行動科学、医療倫理学、物理学、研究方法論、医学英語、文章表現法、コミュニケーション学、スポーツ・レクリエーション演習
専門基礎分野解剖学、生理学、運動学、人間発達学、臨床心理学、病理学概論、内科学、整形外科学、神経内科学、精神医学、小児科学、外科学、脳神経外科学、放射線医学、臨床医学、社会福祉論、リハビリテーション概論

その他の専門学校でも、多くが基礎分野と専門分野に分かれていて、段階的に無理なく学べるようになっています。まずは医療従事者として有しておくべき基礎知識を学習したあと、理学療法士に特化した専門知識を学ぶという構成になっています。

また、上記の学習以外に臨床実習を設けていますが、一例として大分リハビリテーション専門学校では、以下のような実習が行われています。

年次臨床実習期間実習内容
1年次臨床見学実習1週間医療機関で、1日を通して理学療法士の業務内容の全般を見学
1年次訪問通所リハ実習1週間介護老人保健施設等で、介護スタッフが行う食事や入浴の介護体験やレクリエーションなどを実施
2年次評価実習4週間医療機関等で理学療法士として評価を行うための筋力検査、可動域測定などの基礎的な評価技術を習得
3年次総合実習16週間総合的かつ最終の実習で、理学療法評価過程から基本的治療技術を習得することが目的の実習を実施

専門学校で学ぶメリットとしては、理学療法士以外の資格も取得できるという点が挙げられます。理学療法士の国家試験の受験資格が得られるだけではなく、専門士(医療専門課程)や初級障がい者スポーツ指導員(認定)なども取得可能です。

認定理学療法士に関しては、当ブログの「「認定理学療法士」取得するメリットは?2022年に制度変更」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

受験科目には何があるのか

データを分析

専門学校に入学する前には、受験を避けては通れません。その入試方法は大学と同様、いくつかのパターンが用意されています。それぞれのパターンにより受験科目が異なるのはもちろん、事前に必要な準備も異なります。ここでは、それぞれの入試のパターンの中身について説明します。

一般入試

一般入試はよく知られている入試方法で、決められた試験日にテストを受ける方法です。小論文と面接を課すケースが多く、後述の学校推薦型選抜や総合型選抜などとは異なり、併願が可能である点がメリットです。

その他の受験科目としては、専門学校により異なりますが、国語や生物、英語、数学などがあり、これらは高校の学習範囲に準拠しています。対策としては、過去の問題集を参考に難易度を判断した上で、参考書や問題集を元に勉強していきましょう。

学校推薦型入試

学校推薦型入試は、以前は推薦入試と呼ばれていたもので、大きく分けて指定校推薦と公募推薦の2つのパターンがあります。指定校推薦は大学から各高校に人数の枠を割り当て、受験を行う方式です。公募推薦は、専門学校側の出願条件と高校の推薦条件を満たした人が、学校長から推薦状をもらい、受験を行うという方式です。

受験内容は書類審査や面接で決まります。基本的には専願ですので、合格を辞退するとその高校の出願許可が取り消しとなるため、後輩の進学の道を狭めることになります。そのため、学校推薦型入試を受験するのであれば、合格したらその専門学校に進学する意志のある所を選びましょう。

総合型入試

総合型入試は、以前はAO入試と呼ばれていたものです。学力試験はあまり行われず、コミュニケーション能力や理学療法士の国家資格取得に対する意欲など、従来の入試方法では評価しづらかった能力、学校が求める人物像に合致しているかのほか、面接や適性検査、小論文などにより時間をかけて総合的に評価します。

先程の学校推薦型入試とは異なり、自己推薦による公募制となっています。

社会人入試

社会人になってから、あらためて理学療法士の資格取得を目指したいという方は、高校卒業見込みの学生とは別に、社会人入試というパターンもあります。基礎学力検査や適性検査といった簡単な試験と、面接や書類審査などで選ばれます。

社会人の場合、今働きながら入試に臨んでいる場合は特に、なぜ今理学療法士を目指そうとしているのかについて面接で問われます。そこで、進学を決意した理由や将来の目標について、きちんと自分の考えに基づいて話すことが重要です。

学科試験に向けた勉強法

数式と黒板

上記のように入試のパターンはいろいろあり、入試方法によって受験対策が必要となりますが、ここでは、特に学科試験対策に関する勉強法について説明します。

独学での学習が必要

専門学校の入試は面接や小論文のイメージが強いですが、特に一般入試の場合は、学科試験が課せられている学校がいくつもあります。そのため、学科試験対策も必要となります。

高校で学んでいた科目と同じものですので、基本的には過去の問題集で難易度を確認したうえで、その科目に該当する参考書や問題集を元に学習するのが基本となります。中には過去の問題集が専門学校の公式サイトに記載されている場合もありますので、チェックしておきましょう。

理学療法士専門学校の面接対策に関しては、当ブログの「理学療法士専門学校の面接対策!よく聞かれる質問は?」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

専門学校の入試に向けた準備を

今回は理学療法士を目指すために専門学校への進学を考えている方に対し、入試の制度や受験科目、そして専門学校で実際に学ぶカリキュラムについて説明しました。理学療法士になるには、専門学校で学ぶのが効率的であり、近道といえます。

また、最終目標となる理学療法士の国家資格取得にあたって受験対策が施されていることや、最新の設備で学習ができること、医療機関で実習ができることなどにより、即戦力として働きやすいというのが、専門学校で学ぶことの魅力です。

専門学校の入試にあたっては、参考書や問題集などを利用し、よく勉強しておきましょう。