医療に関係する仕事に就きたいけれど、どのような職種があってどのような業務を行うのかについて、明確なイメージがあるわけではない、という方も多いでしょう。医療業界には非常に多くの職種があるため、それぞれの仕事内容を理解して、本当に目指したい職種を絞る必要があります。今回は、医療業界の職種を、仕事のカテゴリ別に16種類紹介します。
医療業界の仕事は40種以上ある
医療業界の業務に従事して医療を支える職業には、非常に多くの種類があります。国家資格が必要な職種だけでも以下のように20職種以上あります。
- 医師
- 助産師
- 看護師
- 保健師
- 歯科医師
- 歯科衛生士
- 臨床工学技士
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 作業療法士
- 義肢装具士
- 理学療法士
- 視能訓練士
- 救急救命士
- 薬剤師
- 管理栄養士
- 言語聴覚士
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
- 鍼灸師
また、准看護師やホームヘルパー、介護支援専門員などの都道府県認定資格もあります。さらにそのほかの、心理カウンセラーや臨床心理士、製薬開発技術者などを含めると、その数は40以上です。
ここからは主な医療従事者の職種をピックアップして、特徴を紹介していきます。
医療関係の仕事
医療や治療に直接的に携わる仕事には、次のようなものがあります。
- 医師
- 歯科医師
- 看護師
- 歯科衛生士
- 動物看護師
- 助産師
いずれも、国家資格が必要な高度な専門性を求められる職業です。(動物看護師は愛玩動物看護師として令和4年5月より国家資格化予定)
医師
医師とは、医師法にもとづいて病気の診察と治療、投薬を行う、医術の専門家です。医師法の第一条では「医師は公衆衛生の向上と増進に貢献して、国民の健康な生活を確保する」ものであると定められています。
医師は大きく、患者を直接診療する「臨床医」と、基礎医学の研究を行う「研究医」に分けられます。
臨床医には病院や大学病院に勤務する「勤務医」と、自らクリニックなどを開業する「開業医」があります。検査や診察によって病状を把握し治療を施すことが、主な仕事です。研究医は、研究を通じて、病気の原因解明や治療法の開発を目指します。
歯科医師
歯科医師は、歯の治療や歯に関する保健指導・健康管理などを行う仕事です。
治療では、虫歯の処置や抜歯をするほか、入れ歯や差し歯、詰め物などの製作・装着、歯列矯正、インプラントなどの外科的治療を主に行います。入れ歯や差し歯、詰め物などの製作は歯科技工士も行えますが、装着は歯科医師のみに許可された施術です。
また、口腔領域の腫瘍など、医師の仕事の範疇と重なる口腔外科、口腔内科の領域の診察・治療も行います。
看護師
医師の診察にもとづいて診療・治療の補助行ったり、病気や怪我をした人や妊産婦などの療養上のお世話をしたりする仕事です。単に医師の補助や患者さんの看護を行うだけでなく、医療スタッフと患者さんとのコミュニケーションの円滑化を図ったり、患者さんの心に寄り添ってケアしたりすることも、看護師の重要な業務です。
病院などの医療機関のほか、福祉関連施設や訪問看護、企業の健康管理室など、就業場所は多岐にわたります。
歯科衛生士
歯科衛生士は、歯科疾患の予防や口腔衛生の向上を目指して、歯や口腔の健康づくりのサポートを行う仕事です。大きな特徴は、薬物塗布や歯垢(プラーク)や歯石の除去といった歯科予防処置の専門家であること。加えて、歯科医師の診療の補助をしたり、歯科医師の指示のもと歯科治療の一部を行ったりすることもあります。
また、歯磨き指導や要介護者などへの訪問口腔ケアや摂食・嚥下(えんげ)機能訓練といった歯科保健指導も、歯科衛生士の大切な業務です。
動物看護師
動物看護師とは、獣医師の診療や治療の補助を行う、動物専門の看護師です。診療時の保定や体温測定、手術の助手、麻酔管理の補助といったサポートのほか、検査機器を用いた検査、入院している動物の食事や投薬の世話などを行います。
また、獣医師の指示のもとで処方薬を準備したり、症状の聞き取りや家庭でのケア方法の説明、飼育のアドバイスといった飼い主さんとのやり取りを担当したりと、幅広い業務に従事します。
助産師
助産師とは、妊産婦の健康管理や生活指導、分娩時の支援、産後の母乳指導や育児指導など、妊娠から育児に至るまでの管理や指導を行う仕事です。また、単に管理や指導を行うだけでなく、妊産婦の相談に乗るなど、心のケアも行います。このほか、妊娠・出産などに関する知識の普及、家族計画の指導なども助産師の大切な役割です。
助産師になるためには、看護師の資格を持っていること、または助産師と看護師の資格を同時に取得することが求められます。
歯科衛生士への進学をお考えの方は、当ブログの「【大学と専門学校】歯科衛生士を目指すならどっち?違い・特徴をまとめ」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
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医療をサポートする仕事
医療関係の仕事には、直接診察や治療に携わる職種のほかに、専門的な知識や技術で医療をサポートする、次のような職種もあります。
- 管理栄養士
- 診療放射線技師
- 臨床検査技師
- 救命救急士
これらの仕事も、従事するには国家資格が必要です。
管理栄養士
管理栄養士は、病気や高齢の影響で食事が摂りづらい人や健康な人を対象に、専門的な知識と技術で、対象者の必要に合わせた栄養指導や給食管理、栄養管理を行う仕事です。病気や高齢の人も対象にする点で、主に健康な人を対象とする栄養士とは異なります。
対象は幼児から高齢者まで多岐にわたり、個人だけでなく集団の栄養指導や管理も行います。また、特定給食施設などで献立を立てたり、利用者の栄養状態の管理を行ったりすることも、業務範囲のひとつです。
診療放射線技師
診療放射線技師は、医師や歯科医師の指示のもとで放射線を用いた検査や治療を行う、放射線技術の専門家。X線やCT、MRI、RI検査などの検査や、ガンなどの放射線治療などを行います。検査を受ける人への説明やわかりやすい画像の提供、読影の補助といったサポート、施設内の放射線機器や被ばくの管理も、大切な業務です。
医療機関だけでなく、医療機器メーカーの研究開発部門や民間の検査センターなど就業場所は多岐にわたります。
臨床検査技師
臨床検査技師は、医師の指示のもとで患者の採血や生物学的な検査を行う仕事です。臨床検査技師が行う検査には、血液や組織などの生体の一部や排泄物を検査する「検体検査」と、心電図やエコーなど患者を直接検査する「生理検査」があります。
また、検体の採取や内視鏡検査の介助、病棟での業務、在宅医療などに、業務範囲が及ぶこともあります。医療機関以外に、健診センターや臨床検査センター、医療機器メーカーで働く臨床検査技師もいます。
救命救急士
救命救急士は、救急現場で医師と連絡を取りながら、心肺停止状態の重症患者に対する救急救命処置を行う仕事です。従来は医師でなければ処置を行えませんでした。しかし、救急救命士法ができたことで、消防官に採用された救命救急士も、医師との連絡のもとで特定の処置が行えるようになりました。
業務を行う場は救急車の中が主ですが、消防が出動する自然災害の現場でも、救急救命士が救助隊員として活躍しています。
リハビリ関係の仕事
医療機関などで行われる、機能回復訓練をはじめとするリハビリテーションに関わる仕事もあります。そのなかでも代表的な仕事が、次の2つです。
- 作業療法士(OT)
- 理学療法士(PT)
いずれも、国家資格が必要な専門職です。
作業療法士(OT)
作業療法士(OT)は、食事を食べる、字を書くなど日常生活の細かい動作(応用動作)のリハビリ(作業療法)を行う仕事です。身体の機能だけでなく、精神面のリハビリも行う点が特徴です。病気や怪我で心身の機能を損なった人や、生まれつき障がいをもつ人などを対象に、機能の改善や能力の習得を図ります。
また、外出や就労、福祉用具を使用した活動などの支援、生活環境作りなどを通じて社会のなかで生きるためのサポートをすることも、大切な仕事です。
理学療法士(PT)
理学療法士とは、病気や怪我、高齢、障害などさまざまな理由で運動機能が低下した人に、運動や温熱、電気など物理的な手段を用いたリハビリ(理学療法)を施す専門職です。作業療法士が主に日常の細かい動作のリハビリを行うのに対し、理学療法士は立ち上がる、歩くなど、基本的な身体動作の機能訓練を行います。
また、機能の回復のみにとどまらず、健康維持や悪化の予防を目指すことも、理学療法士の役割です。働く場は医療福祉分野だけでなく、スポーツ分野などにも広がっています。
理学療法士の資格に関しては、当ブログの「「認定理学療法士」取得するメリットは?2022年に制度変更」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。
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メンタルケア関係の仕事
医療の現場には、心理的な悩みを抱えた人への支援や患者さんへの心理的なサポートなどを行う、次のような仕事もあります。
- 心理カウンセラー
- 臨床心理士
心理カウンセラー
心理カウンセラーとは、心身ともに不調な方や精神的な病になりかけている人に対してカウンセリングを実施し、必要なサポートを行う仕事です。また、カウンセリングと並行して行動療法や精神分析療法などの専門技法を用いて、心身の改善を図ります。
心理カウンセラーになるのに、専門的な資格は必須ではありません。しかし、心理カウンセラーとして働く人の多くは、心理学などの専門知識を学び、国家資格の「公認心理士」やほかの民間資格を取得しています。
臨床心理士
臨床心理士とは、臨床心理学の知識や技術を用いて、精神的な不調を抱える人の回復を図る仕事。心理テストや面接を通じて臨床心理査定を行ったり、臨床心理学的技法で問題解決にアプローチしたりすることが、主な業務です。また、地域住民の心の健康を支援する活動や、臨床心理的調査や研究を行うこともあります。
広義には心理カウンセラーの一種ですが、臨床心理士を名乗るには、民間資格である「臨床心理士」を取得する必要があります。
薬関係の仕事
病気や怪我の治療に欠かせない薬に関わる次のような職種も、医療関係の仕事に含まれます。
- 薬剤師
- 製薬開発技術者
薬剤師
薬剤師は、国家資格を持つ薬学の専門家。医師の処方に従って薬を調合したり、副作用や併用薬との相互作用など、患者の服用に問題となる要素がないかを確認したりするのが主な仕事です。薬の服用方法や効果を患者に説明する服薬指導や、医薬品の在庫管理、医師への処方内容の提案なども行います。
また「かかりつけ薬剤師」として個人の処方や服用状況の確認、薬に関する相談を受け、患者の安全や薬剤の有効性の向上につなげる取り組みも行われています。
製薬開発技術者
製薬開発技術者は、主に製薬会社や化学メーカーに勤務する医療関係職です。薬として役立つ物質や成分、それらを組み合わせた新しい効果に関する研究や、動物などを用いた開発薬の効果、安全性のテストなどを行います。また、薬の製造過程における品質チェックも業務範囲です。
製薬開発技術者になるのに資格は必要ありませんが、薬学や解剖学といった専門知識が必要とされる仕事です。
仕事の内容を理解して、なりたい職種を見つけよう!
医療関係の仕事には、役割や求められる知識、技術が全く異なる、さまざまな職種があります。職種ごとの仕事内容を理解して、目指したい職種はどれかをじっくり考えてみましょう。
また、職種ごとに求められる資格やスキルも異なります。医療従事者や医療に関係する職業を目指すときには、必要な知識やスキル、資格を取得するための道筋を立てて臨むことが重要です。
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