【大学と専門学校】歯科衛生士を目指すならどっち?違い・特徴をまとめ

特徴やメリットを比較して 最短高コスパで歯科衛生士へ

今ほど歯科衛生士の果たす役割がクローズアップされている時代はありません。歯の健康が全身に及ぼす影響が明らかになり、大きな問題となっています。歯の治療だけでなく定期的な歯の衛生管理が重要視され、それと共に歯科衛生士という職業が一躍注目を浴びているのです。

そのため歯科衛生士を目指す学生も増えています。歯科衛生士の国家資格を得るためには専門学校や大学・短大で学ぶ必要がありますが、どの学校を選べばいいのか迷う方も多いでしょう。そこで今回は、専門学校と大学の違いや特徴などをご紹介します。

歯科衛生士の大学と専門学校の特徴を比較

春の校舎

歯科衛生士になるには歯科衛生士国家試験に合格しなければなりません。国家試験を受けるためには、高校卒業後に専門学校か大学・短期大学で知識や技術を習得する必要があります。どちらがいいか迷っている方は、専門学校と大学の特徴について説明しますので選ぶ時の目安にしてください。

大学の特徴

歯科衛生士の大学・短期大学は全国的に数が限られています。特徴は歯科衛生士のためのカリキュラムだけでなく、一般教養や介護・福祉といった幅広い分野を学べる点です。歯科衛生士になるにあたって、幅広い視野を得たい方に向いています。

医療系専門学校入試情報が満載大学と短期大学の違いは通学年数で、大学は4年間です。一般的な短期大学は2年間ですが、歯科衛生士の短期大学は3年間になります。「学士号」が必要な方は4年制大学を選んでください。

専門学校の特徴

実際に歯科衛生士になって働いている方の多くは、専門学校で学んでいます。特徴は、歯科衛生士になるための必要な講義がカリキュラム化されている点です。大学のように一般教養などは学びませんので、国家試験を目的に効率よく勉強ができます。

一般的な専門学校とは違って、歯科衛生士の専門学校は3年制です。実習先となる歯科医院の件数も多く、歯科衛生士の仕事を実習を通して体験できる点も専門学校ならでは。合格率の高さも専門学校の特徴です。

【歯科衛生士の面接試験対策はこちら】

歯科衛生士になるためには、まず大学か専門学校の受験に合格する必要があります。受験において最も重要な面接試験について、具体的な質問例も合わせて詳しく解説します。

大学に入学するメリットとは

歯科衛生になるために大学を選択する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。これから進学を考えている方にとって、メリットを知ることは重要です。主な3つのポイントについて説明しましょう。

メリット①幅広い分野を学べる

大学は専門学校よりも1年間多く通うことになるので、その分だけ学ぶことも多くなります。歯科衛生士になるための必要な知識だけでなく、心理学・経済学・哲学などの一般教養や、学校によっては介護や福祉、IT関連などの分野も学べます。

幅広い分野を学ぶことによって、現場に強い歯科衛生士になれるでしょう。また、将来の選択肢を増やしたり、キャリアアップにつなげたりすることも可能です。

メリット②歯科衛生士以外の資格も取れる

大学で学ぶと歯科衛生士資格だけでなく、それ以外の資格も取れます。学ぶ学科にもよりますが、口腔保健学科なら社会福祉主事任用資格が取得でき、福祉事務所や身体障害者更生相談所などで働くことも可能です。

メリット③一般企業で働く場合に初任給が高くなる

歯科衛生士の資格を活かして歯科医院で働く場合、学歴による給与面での差はほとどんどありません。専門学校卒や大学・短大卒にかかわらず新卒として歯科医院の定めた初任給になります。

ただし歯科衛生士として一般企業に雇われる場合は、大学・短大卒の方が給与が高くなる可能性があります。なぜなら、一般企業では最終学歴によって初任給が決められるケースが多いからです。待遇面はそれぞれの企業によって異なるので、確実とはいえません。

 

専門学校に入学するメリットとは

口腔内検査

歯科衛生士の多くは専門学校で学んでいますが、大学で学ぶのとは違うメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、主な3つのポイントについて取り上げます。

メリット①カリキュラムを効率よく学べる

専門学校は歯科衛生士になるための学校なので、大学のような一般教養を学ぶ必要はなく、医療と歯科衛生士に特化したカリキュラムが効率よく学べます。授業内容も歯科分野が中心で、高校のように授業の時間割が決まっているので学習しやすい環境です。

また学校によっては実習に力を入れており、医療現場で即戦力になるように指導しているところもあります。

メリット②歯科衛生士国家試験の合格率が高い

歯科衛生士国家試験の合格率が高いのが専門学校のメリットです。学校によって合格率は異なりますが、全員合格を目指して100%の合格率を誇る専門学校もあります。

一般的に歯科衛生士国家試験の合格率は90%を超えているので比較的高めですが、それでも100%の専門学校が存在するというのは専門学校ならではでしょう。

歯科衛生士国家試験合格率

開催年受験者数合格者数合格率(%)
第30回(令和3年)7,0996,62493.3
第29回(令和2年)7,2166,80894.3
第28回(平成31年)7,2076,93496.2
第27回(平成30年)7,3747,08796.1
第26回(平成29年)7,2186,73793.3
歯科衛生士国家試験合格率

メリット③学費が安い

専門学校にしろ大学にしろ、先立つものは学費です。歯科衛生士の専門学校を選ぶ方が多いのは、学費が安いというのも1つの理由でしょう。専門的なカリキュラムが組まれ、効率的に学べる上に学費が安いのですから、これは大きなメリットになります。

ちなみに東京都にある専門学校の初年度の納入金を見てみましょう。100~140万円というのが一般的です。もう少し学費を抑えたい場合は、夜間部(二部)のある専門学校を選ぶという方法もあります。

東京都内にある専門学校を取り上げましたが、地方にある学校はこれよりも学費は低めになっていると思われます。

年間授業料学費(授業料+入学金)諸費用初年度納入金
歯科衛生士専門学校(A)85万円21万円106万円
同(B)110万円27万円137万円
同(夜間)72万円20万円92万円
歯科衛生士専門学校の学費(東京都、1年次)

諸費用には実習費や施設設備費などが含まれます。また学校によっては一括ではなく、分納できるところもあります。

医療系の大学&専門学校は学費の免除・減額制度や奨学金で選ぶのもひとつの手段

3つの選択肢に迷う人

医療系の大学は学費が高いことで有名ですが、専門学校も同様です。学費の高さで進学を諦めることのないように、学費の免除・減額制度などを設けている学校もあります。学校独自の奨学金制度や、国や自治体の奨学金を利用する方法もあります。このような制度があるかどうかも志望校を選ぶ時の目安にしてはどうでしょうか。

【専門学校の優待制度】

  • 特待生制度:面接のみで入学金が免除になる
  • アルバイト紹介制度:放課後などを利用して歯科医院でアルバイトしながら学べる
  • 教育訓練給付金制度:専門実践教育訓練給付の指定校認定を受けた専門学校は、一定条件を満たせば最大168万円の給付金が受け取れる

【国や自治体の奨学金制度】

  • 日本学生支援機構:独立行政法人「日本学生支援機構」の奨学金制度
  • 東京都育英資金:公益財団法人「東京都私学財団」の奨学金制度
  • 国の教育ローン:日本政策金融公庫が行っている教育費貸付制度

専門学校の中には学校独自の減免制度を設けているところもありますので、ホームページや資料で条件などをよく確認してから申し込むようにしてください。

 大学と専門学校の違いを理解して歯科衛生士を目指そう

虫歯の治療といえば歯医者というイメージが一般的ですが、歯の健康といえば歯科衛生士を思い浮かべるのではないでしょうか。それだけ歯の健康と歯科衛生士は切り離せない関係です。

歯科衛生士の重要性が高まるにつれ、国家資格を目指す方も増えています。人間の健康に関与する重要な仕事です。ご紹介した大学と専門学校の違い・特徴・メリットなどを理解した上で、歯科衛生士国家試験にトライしてみてください。

歯科衛生士を目指している方は、当ブログの「歯科衛生士の志望動機を作成する4つのコツ!注意点も押さえておこう」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。