准看護師資格の取得方法は?流れや費用と資格取得のメリットを解説

准看護師の資格取得には メリットがいっぱい

看護にかかわる資格のひとつに、医師や看護師の指示のもとで業務を行う「准看護師」があります。准看護師の資格取得を検討しているけれど、具体的にはどう行動すればよいかわからない、という方も多いでしょう。今回は、准看護師資格の取得方法や資格取得までの流れ、資格を取得するメリット、資格取得の費用などを紹介します。

准看護師の資格を取得する方法

医師と看護師

准看護士の資格を取得するには、次のいずれかの進学パターンを選ぶ必要があります。

(1)中学校または高校卒業後に養成所(准看護師学校)に進学する

養成学校とは、看護専門学校の准看護科などを指します。卒業までの期間は2年間です。

朝から夕方まで授業を受ける「全日制」と、午後や夜間に授業を受ける「半日制」が選択できます。

(2)中学校卒業後に高校の衛生看護科に進学する

朝から夕方までの「全日制」と夜間に授業が行われる「定時制」があります。

養成学校よりも期間が長く、全日制は3年間、定時制は4年間です。

准看護学校入試情報が満載(1)(2)のいずれかを修了したのち、各都道府県が実施する准看護師試験に合格し、都道府県知事の免許を受けてはじめて、准看護師の資格取得となります。

准看護師の資格を取得するまでの流れ

准看護師の資格を取得するまでの流れをまとめると、おおよそ次のとおりです。

  1. 養成所または高校の衛生看護科を受験する:入試難易度は中学卒業程度です
  2. 学校に通って学習する:養成所は2年間、高校は3年ないし4年間です。養成所の場合は一般的に、1年目に履修、2年目に実習が行われます。総履修時間数は1,890時間以上、そのうち実習が735時間以上です。
  3. 准看護師試験を受験する:試験は各都道府県が実施し、150問出題されます。
  4. 免許申請手続きをする:准看護師試験に合格したら速やかに、住民票がある都道府県の知事に免許発行を申請します。免許発行までは数か月を要することがあります。

 

准看護師の資格取得のメリット4選

ひとりだけ閃く

准看護師の資格を取得する主なメリットは、次のようなものです。

  • 短期間で資格取得可能で費用も比較的安い
  • 働きながらでも資格を取得できる
  • 試験の合格率が高い
  • 就職や転職で有利

それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。

メリット1.短期間で資格取得可能で費用も比較的安い

資格取得に3年以上かかる看護師に対して、准看護師の資格は最低2年間養成所に通えば取得できます。できるだけ早くスキルを身につけて働きたいという方には、ぴったりの資格だといえるでしょう。准看護師の資格を取って実務経験を積めば、准看護師として働きながら看護師へのステップアップを目指すことも可能です。

資格取得にかかる費用についても、准看護師のほうが看護師よりも低く押さえられるのが一般的です。通う学校の種類などにもよりますが、看護師の3分の1から2分の1以下で済むケースもあります。

メリット2.働きながらでも資格を取得できる

准看護師の養成所には、午後~夜間に授業が行われる半日制を選択できるところがあります。また、高校の衛生看護学科のなかには、夜間に通える定時制がある学校もあります。半日制や定時制を選択することで、日中に仕事をしている方でも、働きながらの資格取得が可能です。また、朝から夕方に授業を受ける全日制に進学し、夜間に働くという選択肢もあります。

進学先を決めるときには、時間編成を確認し、仕事をしながら通えるかどうかを確認することが大切です。

メリット3.試験の合格率が高い

准看護師の試験は、実施する都道府県によって難易度に多少の差があるものの、合格率は非常に高いのが特徴です。令和2年度を例にとると、合格率は次のようになっています。

  • 准看護師学校養成所(養成所・高等学校衛生看護科)卒業者:99.2%
  • 看護師学校養成所卒業者:99.6%
  • その他受験資格認定者(基準を満たす外国の看護師免許取得者):82.4%

上記からわかるように、日本国内で受験資格を取得した場合、ほとんど落ちる方のいない試験なのです。ちなみに、看護師試験の合格率は例年90%前後と、准看護師試験と比べてかなり低い数字が出ています。

また、准看護師試験は、試験日が都道府県(ブロック)によって異なるために、同じ年に複数回受験できます。再チャレンジできることで、合格のハードルはさらに下がるといえるでしょう。

メリット4.就職や転職で有利

正看護師と同じように、准看護師も、持っていると就職や転職をしやすい資格です。とくに、個人病院やクリニックなど規模の小さな施設では、准看護師に高い需要があります。

医療に携わる仕事をしたいという強い希望がある方や、とにかく手に職をつけて安定して働きたいという方にとっては、准看護師の資格を取得するメリットは大きいでしょう。

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准看護師から看護師にステップアップするには?

准看護師の資格を持つ人が看護師資格を取得するには、次のいずれかに進学する必要があります。

  • 看護専門学校
  • 看護短期大学
  • 高等学校専攻科

進学する際、中学卒業者は3年以上の准看護師の実務経験を求められます。勤務先が発行する勤務証明書などの提出が必要な場合があるため、注意しましょう。この場合の実務経験とは、就業場所や就業形態を問わず、准看護師として働いた年数のことです。

准看護師から看護師になるための課程は、いずれの進学先でも2年間ないし3年間です。この課程を修了し看護師国家試験を受験して合格すれば、看護師の資格取得となります。

看護師を目指すための進学課程のタイプ

看護師を目指すための進学課程には、次の3つのタイプがあります。

(1)全日制

朝から夕方まで授業が行われる方式。卒業までの期間は2年間です。准看護師資格を取得したのち、最短で看護師資格を取得できます。

(2)定時制

卒業までの期間は3年間。昼間定時制と夜間定時制があり、1、2年次の座学を受ける時間帯が違います。3年次は主に実習を行います。

(3)通信制

主に通信教育で座学を履修する方式で、卒業までの期間は2年間です。2年間で50日以上の登校日が設けられます。また、病院などで見学実習も行います。通信制への進学には、7年以上の実務経験が必要です。

准看護師の給料に関する事は、当ブログの「准看護師の給料・年収はいくら?地域差や看護師給料もチェック」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。

資格取得に必要なお金・費用は?

インターネットで学校を選ぶ

准看護師になるための授業料は、年間20~40万円程度、2年間では40~80万円程度が目安です。加えて入学金や教材費、実習費用などが発生するため、2年間トータルの費用は、100~130万円程度になることが多いようです。

ただし、医師会立、公立などの種類や受講形式などによって費用が異なるため、詳細は各学校に問い合わせましょう。

准看護師は、正看護師と比べると短い期間で資格を取得でき、資格取得までにかかる費用も安いのが特徴です。奨学金を利用できるケースもあるため、費用の負担に不安がある場合は利用を検討するとよいでしょう。

准看護師学校に進学して、准看護師になろう

准看護師になるためには、准看護師の養成所や、高校の専門学科で勉強する必要があります。そのうえで資格試験に合格しなければなりませんが、試験の合格率は非常に高く、それほど難関ではありません。また、資格取得後は准看護師として働きながら看護師へのステップアップを目指すことも可能です。

資格取得までの期間や費用も正看護師と比べると抑えられるため、できるだけ早く看護の仕事に携わりたいと考える方にとっては、最適な選択肢のひとつといえるでしょう。