准看護師と正看護師の違いとは?知っておきたい准看護師の基本

准看護師になるには? 正看との違いも

全国的に医療従事者の減少が問題になっています。特に減少傾向にあるのが准看護師です。一般的に通用しているのは看護師という職種ですが、その他に准看護師という職種があります。

これから看護師の仕事を目指そうとしている人の中には、准看護師という道を選んだ方がよい場合もあるかもしれません。そのためにも准看護師について理解を深めておく必要があるでしょう。

では、准看護師と正看護師の違いとは何でしょうか。同じ医療従事者ですが、仕事の内容が違うのでしょうか。今回は准看護師と正看護師の違いについてご紹介します。

准看護師のポジションとは?

積み重ねた本

看護師は、通称正看護師と呼ばれます。これに対して准看護師という名称がありますが、正看護師との違いはどこにあるのでしょうか。正看護師も准看護師も同じような業務を行う医療従事者です。ただし、資格の要件や仕事のやり方などの違いがあります。慢性的な人手不足の状態が続いている医療業界において、准看護師は正看護師と同様に必要とされており、とても大切なポジションを占めている職種です。

准看護師と看護師(正看護師)の違いとは?

准看護師と正看護師の仕事内容はほぼ同じです。ただし、准看護師は自分の判断で業務が行えません。業務を行う場合は医師か正看護師の指示を仰ぐ必要があります。この点が大きな違いです。しかし准看護師は医療行為が行えるので、医療機関だけでなく介護施設や福祉施設などでも働けます。ここでは主に資格の要件と仕事のやり方に関して、准看護師と正看護師ではどのように違うのかを説明しましょう。

資格の要件が違う

正看護師の免許は厚生労働大臣が発行する国家資格ですが、准看護師免許は「都道府県知事」が発行します。准看護師になるには准看護師免許が必要ですが、そのためには、准看護師試験に合格する必要があります。

准看護師試験を受験するには資格の要件を満たす必要がありますが、中学校卒業後に准看護師を目指す場合と、高校卒業後に目指す場合とでは要件が異なります。

中学校卒業後に資格要件を満たすには、准看護師養成学校へ2年通うか、衛生看護科のある高校へ3年通います。定時制の場合は4年です。

一般の高校卒業後に資格要件を満たすには、准看護師養成学校へ2年通うか、看護大学へ4年通うことになります。これ以外にも看護短期大学や看護専門学校へ通えば受験資格が得られます。

准看護師になるための資格要件 

中学卒業後

准看護師養成学校(2年)

衛生看護科のある高校(3年・定時制は4年) 

高校卒業後

准看護師養成学校(2年)

看護大学(4年)/看護短大・看護専門学校(3~4年)

正看護師(看護師)になるには看護師国家試験に合格しなければなりません。高校卒業後に正看護師を目指す場合は、大学または3年以上の専門教育を受ける必要があります。中学校卒業後に目指す場合は、5年間の一貫看護師養成学校へ通うことになります。

正看護師になるための資格要件

中学卒業後

5年一貫看護師養成課程校

高校卒業後

看護大学(4年)

看護短期大学(3年)

看護師養成所(専門学校・3年)

仕事の内容は同じでも働き方(役割)が違う

国民の医療にたずさわる従事者には保健師助産師看護婦法(保助看法)という法律があり、第5条と6条において看護師と准看護師についての既定が定められています。准看護師の仕事内容は正看護師と変わりませんが、違うのは働き方(役割)です。すでに説明したように准看護師は自分の判断で業務を行うことができず、医師や正看護師の指示が必要になります。

 

准看護師

正看護師

法律の規定

保助看法第6条

保助看法第5条

業務

自らの判断による看護業務はできない

自らの判断により看護業務ができる

准看護師が行う主な業務内容について

准看護師は自ら判断して医療業務ができないだけで、正看護師と同じような業務内容を行います。主な業務内容について具体的に例を上げておきましょう。

  • 血圧や体温などのバイタルチェック
  • 点滴・注射・採血
  • 手術や診療の補助
  • 患者への食事・排せつ・食事介助などのサポート
  • 患者の移送
  • ナースコール対応
  • カルテ記入、など。

また准看護師免許は各都道府県知事が発行しますが、働く場所は免許を取得した都道府県はもちろん、全国どこでも働くことができます。

 

准看護師になるには?

タンカで患者を移動する

准看護師になるには専門の養成課程を修了して、さらに准看護師試験に合格する必要があります。中学校卒業後と高校卒業後の進路が異なることについては前述のとおりですが、ここでは資格取得から就職までの流れについて説明しましょう。

学生から准看護師になるまでの流れ

中学校卒業および高校卒業から准看護師として就職するまでの流れを追ってみましょう。どちらの場合も、まず准看護師の養成学校(高卒の場合は看護大学・看護短大もあり)を受験します。2年間の修了後(看護大学は4年、看護短大は3年)に准看護師試験を受験。合格すれば准看護師免許が取得できます。就職については准看護師養成学校で卒業後の進路相談やハローワーク、一般の求人情報により勤務先を探します。なお、准看護師養成学校では実習が行われますので、卒業してから実習先に就職することも多いようです。

社会人から准看護師になるまでの流れ

一旦社会に出て働いている社会人や、家庭に入った主婦でも准看護師を目指すことは可能です。社会人や主婦の場合も、准看護師養成学校に入学して2年間の課程を修了します。社会人は働きながら、主婦は家事をしながら通うケースが多いので、全日制ではなく半日制(平日の午後や夜間)の課程がおすすめです。卒業後に准看護師試験を受験して合格すれば、免許が取得でき、就職活動ができます。准看護師は非常勤やパートの仕事もあるので、家事と両立させたい主婦に向いているといえるでしょう。

都道府県が実施する准看護師試験

都道府県が実施する准看護師試験は年に1回、47都道府県で実施されます。試験日は各都道府県によって違うので事前に確認が必要です。一般的には2月初旬~中旬にかけて行われます。合格発表は3週間後~1か月後です。

試験は年に1回ですが、都道府県によって実施日が異なるので複数回の受験チャンスがあります。試験内容は全150問で、13科目から出題されます。

准看護師試験の内容

出題数

150問

出題範囲

人体の仕組みと動き、食生活と栄養、薬物と看護、疾病の成り立ち、患者の心理、感染と予防、看護と倫理、基礎看護、保健医療福祉の仕組み、看護と法律、老年看護、成人看護、母子看護および精神看護

合格の基準や合格率は都道府県によって違いますが、「令和2年度看護師試験の実施状況」によれば、全体の受験者数は15,198人、合格者数は15,052人、合格率は99.0%です。毎年合格率は高い水準にあるので、難易度はそれほど高くないといえるでしょう。

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准看護師の資格を取得するメリット

准看護師は正看護師と同じ業務を行うのに、医師や正看護師の指示がなければ動けないという点に不満を持つ方は多いかもしれません。しかし准看護師には正看護師にはないメリットもあるのです。主に3つのメリットについてご紹介しましょう。

正看護師より資格が取りやすく費用が安い

准看護師になるためには准看護師試験に合格しなければなりませんが、合格率は令和2年の場合は99%と非常に高いです。また都道府県別に試験が行われるため、試験の日程を調整すれば複数受験ができます。

また正看護師よりも資格を取得する期間が短いので、費用が安いというのもメリットです。早く看護師の仕事に就きたいという人に適した職務といえます。

働きながら資格が取れる

専門の養成学校へ行きたくても経済的に難しい人や、社会に出て働いている人でも、働きながら資格が取れるのが准看護師です。

准看護師養成学校は2年間ですが、全日制と半日制があるので自分の生活スタイルに合わせて通うことが可能です。全日制は朝から夕方まで授業を行い、半日制は平日の午後や夜間に授業を行います。

また全日制の学校でも週3日授業のところが多く、週5日のところは午後のみ授業という学校もあります。時間にゆとりがあるので、アルバイトなどで働きながら授業料を支払えるのはメリットでしょう。

正看護師へキャリアップができる

准看護師のメリットの中で、特に重要なのが正看護師へのキャリアップの道が開けていることです。准看護師になったら一生そのままというのではなく正看護師にもなれるので、働くモチベーションにもなります。

早めに准看護師になって経験を積んでおけるというのは大きなメリットです。全日制と定時制は3年以上、通信制は7年の実務経験があれば受験資格が得られます。

准看護師の給料(賃金)と平均年収は?

データを分析

厚生労働省の「平成30年度衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」では、30万4,479人が准看護師として働いています。では、准看護師の賃金や年収はどのくらいなのかについて説明しましょう。

厚生労働省の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、准看護師(一般労働者)の月額給与は約25万3,000円(平成27年)、年間賞与その他特別給与額は約63万8,500円(平成27年)となっています。これをもとに計算すると、残業代や各種手当てを含めて約400万円ぐらいでしょう。都道府県や勤務先の規模や経営状況などによっても変わるのであくまでも目安ですが、勤続年数や年齢によって給与や賞与は増えていきます。

准看護師のニーズは今後もますます高まります

准看護師について、正看護師との違いをメインにご紹介してきました。准看護師についての情報は、これから看護師を目指す人にとって役立つことでしょう。看護師になるのはハードルが高いと思い込んでいた人にとっては、准看護師という道があるというのは大きな励みになります。

正看護師を目指す方が、准看護師で経験を積んでからキャリアップするという方法もあります。また社会人や主婦にもチャレンジしやすいのが准看護婦です。今後もますます准看護婦のニーズは高まっていきます。人々のために誇りある仕事をしたいと考えているのなら、准看護師にチャレンジしてみませんか。

資格取得までのプロセスに関して知りたい方は、当ブログの「准看護学校は働きながらでも通える!資格取得までのプロセスを解説」という記事に詳しく載っていますので、そちらも参照してください。