看護学校の受験は集団討論・集団面接が合格の鍵!対策・注意点まとめ

増えている!集団面接&討論試験官の心を掴む10のコツ

「今年から集団討論が導入されるなんて聞いてない!」「想定される質問の範囲が広すぎて、対策を立てられない!」

最近、読者の皆様から、このような悩みを特に多く頂いています。それもそのはず、近年、看護学校の入試では、集団討論や集団面接を実施する学校が増えてきているのです。なぜなら、看護という仕事は、コミュニケーション能力や協調性があることが、患者さんからも仲間からも信頼される要となるので、入試においても、人物重視する傾向になってきているからです。

短期間で対策なんてできないと不安をお持ちの皆さん、安心してください。集団討論や集団面接では、面接官が当日チェックしているポイントや採点の基準を知っておけば、失点を受けることは少なくなります。 今回は、読者の皆様からお問合せ頂いた質問に、とことん答えます。集団討論や集団面接が重要視されている理由をもう少し詳しく見て、それぞれの対策と注意点を解説します。

看護学校の入試で集団討論や集団面接が重要視される理由

3人の女性看護師

看護学校の入試では、合否を決める要素として面接試験が重要視されています。そのため、集団討論や集団面接が実施されるケースが増えてきています。

一度に複数の受験生が集まって行われる集団面接ですが、面接官からの質問は個別面接とほぼ同じと考えて良いでしょう。一方、集団討論は受験生たちに課題が出されて、20〜30分かけて討論している様子を採点されます。

いずれのケースでも、面接官が受験者の発言や振る舞いを見て、発言内容や態度が適切であることをチェックします。

手間や時間をかけて集団面接や集団討論が実施される理由は、主に次の2つです。

  • 書類からは見えてこない人柄を知りたい
  • 看護分野の将来を担う優秀な人材を確保したい

ではそれぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

書類からは見えてこない人柄を知りたい

集団面接や集団討論が行われる理由は、何もあなたを上から目線で見たり、脅したりすることではありません。看護学校の面接官は直接顔を合わせて会話をする中で、あなたの人柄を感じ取りたいのです。

推薦書は、あなたという人物を高く評価している書類ですが、面接官は推薦状には書かれていない実際のあなたを知りたいと思っています。

たとえば提出された書類に「コミュニケーション能力が高い」「思いやりがある」と記載されていた場合には、実際にはそれがどの程度の長所なのか。患者、家族、同僚と接する看護という道を志す「あなた」に、どのような資質が備わっているのか。

書類を読んだだけでは受験者の人となりを正しく評価しきれないことを、面接官は長年の経験から知っています。だからこそ、直接会って深く知ろうとしているのです。

看護分野の将来を担う優秀な人材を確保したい

看護は常に人間と関わる分野です。そこであなたという人物に、人間の尊厳を高める医療の実践者となる素養があることを面接官は見極めたいのです。

看護学校に進学する人は、卒業後に看護以外の職業に就くケースはほぼありません。つまり看護学校の入試は、職業としての看護分野への人材確保も兼ねているのです。

面接官は「命を扱う職業としての看護」と「軽い気持ちで看護師を目指す人物」とのミスマッチを防ぐために面接を実施しています。

集団討論や集団面接を通じて、看護分野に適性が高く、正しい物の見方ができる資質を持っていることをチェックされているのです。

集団面接に向けた6つの対策と注意点

にこちゃんマークのサイコロ6つ並ぶ

集団面接は、多くの学生を効率よく一度に比較する方法として採用されています。集団面接を突破するには、十分な対策と注意点の事前把握が重要です。筆者は初めて集団面接を経験した時、「前の人の回答が自分の回答とほとんど一緒!どうしよう!」と、それはそれは焦ったものでした。

自分の中で、大きな勘違いをしたまま面接に進まないように注意してください。対策や注意点としては、次の6つが挙げられます。

  • 「長話」は厳禁!分かりやすく簡潔に話す
  • 耳を傾け「対話」を心がける
  • 固まって面接官を困らせない
  • 看護分野に進みたいと強く意思表示をする
  • 清潔感のある身だしなみを心がける
  • 前を向き背筋を伸ばす気遣いを!

ではそれぞれの対策や注意点について、詳しく見ていきましょう。

「長話」は厳禁!分かりやすく簡潔に話す

集団面接で自分ばかりが長々と話すと「空気の読めない学生」と判断され、マイナス評価を受ける可能性があります。

長話をして面接官に不安感を抱かせないように、質問に対する「回答」をまず簡潔に返しましょう。続いて具体的な説明を加える話し方を心がけます。

看護師になると、小さな子どもから老齢の方に至るまで相手の年齢に関係なく「伝わる話し方」が求められるからです。

要領を得ない話し方は相手を混乱させ、好感度が下がるので注意してください。周りの人に、自分の話し方をチェックしてもらうと良いでしょう。

耳を傾け「対話」を心がける

面接官の質問に耳を傾け、しっかり把握してから回答します。対話が成立しているかどうかは、面接時の重要なチェックポイントです。

主な質問を想定して、回答を事前に作成する人も多いでしょう。集団面接の現場で注意したい点は、暗記した原稿どおりに回答しないことです。不自然に聞こえるだけでなく、「対話に参加していない」印象を面接官に与えてしまいます。

原稿作成はあらかじめ考えをまとめる点で役立ちますが、受験日当日に向けて暗記するものではありません。

面接では、誰もが緊張するものです。面接官も受験者が緊張していることは、承知しています。だからといって自分の番が終わったら、他の人が回答している間にリラックスして他人事のように振る舞ってはいけません。

他の受験生が回答している間も、自分事のように耳を傾けるようにしてください。

固まって面接官を困らせない

多くの看護学校では、面接でよく投げかけられる質問を中心に進行することがほとんどです。しかしどの集団面接も、和やかなムードで進行するとは限りません。

いきなり「圧迫」を受けたり想定外の質問ばかりを聞かれたりして、タジタジにさせられるケースも稀にあります。

回答が困難な状況でやってはいけないNG行動は、固まって黙りこくってしまい面接官を困らせることです。

回答できない現実に直面し、情けなさや恐怖感で泣いてしまうような事態は、とにかく避けてください。

深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、対話に参加することが大事です。緊張のあまり考えがまとまらない場合は「申し訳ありません」と一言添えて、その事実を正直に面接官に伝えましょう。


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看護分野に進みたいと強く意思表示をする

「看護」という分野で働きたい理由を、面接官に明確に伝えられるように準備しておきます。

数ある医療従事者の仕事・職種の中で、なぜ看護分野を選ぶのか。面接官に看護分野への熱意を伝えるためにも、将来の職業として看護の道へ進みたい理由を自分なりに深堀りしておくことが大事です。

まず看護の現場でよく見られる仕事内容を、ざっとチェックしてください。看護師としてのどの仕事が、自分にとって大きな意味を持つのか考えをまとめるようにしましょう。

看護師になりたいと思ったきっかけを積み上げるのではなく、看護分野で働きたい理由を自分の中で明確にするのがポイントです。

清潔感のある身だしなみを心がける

看護学校の入試だけに限りませんが、清潔感のある身だしなみができていないと、常識のない人物だと思われてしまうので注意してください。

集団面接だけでなく、筆記試験でも身だしなみのチェックは行われています。爪や髪型を整えるなどして、相手を不快にさせない容姿を心がけましょう。

前を向き背筋を伸ばす気遣いを!

集団面接では、常に前を向き背筋を伸ばす姿勢で臨みましょう。

面接では緊張や焦りのあまりイライラして、思わぬクセが手足に出ることがあります。不用意に手指や足を揺らすことのないよう、注意が必要です。

着席したら軽く手を重ねる、あるいは男性なら握りこぶしをモモの上において、背筋を伸ばします。質問に回答するときに、大きな手振りをいれないように注意してください。

待機中の姿勢や態度も見られており、下や横を向いたり目をつぶったりしていると無関心だと見なされて減点されます。

少し変わった集団面接も

集団面接、笑顔で答えるスーツの女性

ここでは、看護学校の少し変わった集団面接の例を2つご紹介します。どのような状況やテーマでも、試験当日に力を発揮できるように準備を行いましょう。

Web面接の導入

新型コロナウイルス感染症の影響により、入試は学校に行って受けるものという常識が変わりつつあります。「インターネット環境の整った場所」で面接が実施されるかもしれません。

Web面接では、声はやや大きめ・ややゆっくりを意識すると、面接官が聞き取りやすいでしょう。質問に回答するときは、カメラを見て話します。

ほかにもWeb面接前には、インターネットの接続状況の安定性を確認したり、マイクやカメラによる音声テストを行ったりする必要があります。雑多な生活用品が映り込まないよう、壁などはシンプルな背景を用意しましょう。 

新型コロナウイルス感染症に関する質問

昨今の感染症拡大の影響から「コロナ病棟に配属されたらどうしますか?」といった核心をついた質問をされる可能性があります。

「コロナ対応の医療従事者に非難の声がでていますが、不安はありませんか?」という質問も想定しておきましょう。差別があった事実を知っているか、対象になった場合にどうやって乗り越えるのかを加味して回答を用意してください。

集団討論(グループ・ディスカッション)に向けた4つの対策と注意点

ディスカッション

集団討論はグループ・ディスカッションとも呼ばれます。就職時の採用試験では行われることがあるものの、一般的な受験では行われることはありません。そのため読者の皆様からは「看護学校の受験をするまで集団討論を経験したことがない」という声を頂くのがほとんどです。

他の受験者の話に耳を傾けつつ、自分の意見を述べて議論するのは、慣れないと難しく感じるでしょう。看護学校側が4〜7人単位でグループ分けするので、初対面の受験生たちと一緒に討論する難しさもあります。

また募集要項には面接としか記載されていなかったのに、実際には集団討論という場合もあるので注意が必要です。

議論のテーマは当日まで不明ですが、日頃から医療や健康に関わるニュースに関心を寄せて自分なりの意見をまとめておきましょう。

集団討論に向けた対策と注意点は、次の4つです。

  • 討論のテーマから脱線しない
  • マウントをとらない!他の人に敬意を払う
  • 討論そのものが上手く進行するよう貢献しよう
  • 和やかに進行させるコツは事前のあいさつ

ではそれぞれの対策と注意点の詳細について、順番に見ていきましょう

討論のテーマから脱線しない

集団討論は、友達とダラダラと話す「おしゃべりの場」ではありません。フレンドリーな雰囲気だからといって、普段の口癖や話し方にならないように言葉遣いには注意が必要です。

与えられたテーマから脱線して世間話を始めたり、他の人の意見に反論や批判ばかりしていると不合格になる可能性があります。

積極性は必要ですが、自分だけが目立とうとする発言は協調性がないと判断されてしまいます。他の人が話しているのに、遮って自分の意見を述べることもやめましょう。

一方、発言せず討論に参加しなかったり「前の人と同じです」と発言したりすると、積極性が低いとして減点されます。

実際に自分が発言しようとした意見を先に言われてしまったら、何か新しい別の観点を足すと良いでしょう。「私の意見は〇〇さんと同じになりますが、〇〇の点が異なります」といった具合です。

ある読者の方は「変わり者と一緒のグループになって戸惑った」とのお問い合わせをくださいました。例えば、討論を元のテーマから脱線させて無駄話をしたがる人がいた場合には、さりげなく話を元のテーマに戻すような進行に努めるようにしましょう。

マウントをとらない!他の人に敬意を払う

自分だけ目立とうとしても、「協調性の有無を見る人物評価」の場である集団討論では評価されません。自分が他の受験生より優れていることを見せつけるような、マウントをとる行為はやめましょう。

看護学校の受験では、さまざまな年齢層の人が集まることがあります。自分より年下に見える人に、上から目線で話すのは見苦しいです。

他の人が意見を述べているときに、イライラしたりイヤな顔をしたりするのは避けましょう。

集団討論は、理屈や意見の正しさを争う場ではありません。「あなたの意見は間違っている」などと一方的に決めつけて、乱暴な話し方にならないよう注意してください。


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討論そのものが上手く進行するよう貢献しよう

集団討論では、ディスカッションをさりげなく進行させる発言が評価されます。

たとえば新しい論点や観点を提案したり、前の発言を受けて問題を整理したり、より具体的に掘り下げる発言を行うなどです。

討論が上手くまとまるように、メンバーとして積極的に貢献するようにしましょう。

和やかに進行させるコツは事前のあいさつ

和やかに集団討論を進めるためにも、可能であれば同じグループの人たちに軽く挨拶しておきましょう。「今日はよろしくお願いします」程度の挨拶で問題ありません。 勝ち負けや優劣を決める場ではないので、協力して意義のある討論にしようという気持ちを示しましょう。

看護学校の少し変わった集団討論

スーツ4人のディスカッション風景

ここでは、看護学校で行われる少し変わった集団討論の事例をご紹介します。

聖マリアンナ医科大学看護専門学校の集団討論

討論のグループは6人で構成され、時間は20〜30分ほどです。社会人入試では、テーマを与えられて討論する形式ではなく、集団作業が実施されています。

たとえば複数の受験者の間で封筒に入った紙を交換し合い、集団で1つの絵を完成させるといった課題などが出されることがあったようです。

上尾市医師会上尾看護専門学校の集団討論

グループは6人なのに、時間は10分と短めなのが特徴です。時間が短いことを意識していないと、発言の機会を逃す可能性があるので注意してください。

集団討論や集団面接を軽く考えず対策しよう

看護学校の集団討論や集団面接では「将来看護の仕事を担う優秀な人材を選ぶ」観点で採点が行われます。実際の看護の現場でミスマッチを起こさないよう、看護師にふさわしい資質を今のうちから考え、身につける努力をすることが大切です。

「個人面接」の対策も、集団討論や集団面接の対策のベースとなります。以下のブログ記事では、看護学校の個人面接で絶対に押さえておくべき注意点や、頻出する質問を解説していますので、こちらもぜひご活用ください。


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